アナログフィッシュの健太郎くんとのドライブ中にどこで新しい音楽に出会ってる?という話になり、音楽のサブスクをやっていない僕は、主にネットラジオのNTSで出会っていると説明した。
今思うと健太郎くんは、「新しい音楽」という言葉を「新しく発表された音楽」という意味で使ったのかもしれないが、僕はてっきり「自分にとって未知の音楽」という意味だと解釈して説明していた。
NTSを流して家事をしていることが多い。好きなDJを見つけて最新エピソードが更新されると聞いている。好きなDJを探す手助けは、記載されているジャンルとジャケット写真。エピソードごとのジャケット写真は見ているだけでも楽しく、DJ自らが選んでいるのか選曲センスが現れている気がして重要だと思う。
NTSを聞いていると、まだまだ世界は知らない音楽で溢れているなと嬉しくなるし、ここは本当に音楽が大好きな人たちで溢れているなと嬉しくなる。音楽は縦横無尽に国境を越えて聞かれている。
健太郎くんにNTSを紹介したのだけど、その広大な音楽の海に飛び込む前に、取りつく島としていくつか個人的なお気に入りをここで紹介します。
Naomi Asa
この人を気に入ったのは最初に聞いたエピソードが良かったからで、ビートルズ『ジュリア』からサイモン&ガーファンクル、ビーチボーイズと馴染み深い選曲で始まって、途中に梶芽衣子を挟む意外な展開がありつつも全体的にメロウな選曲でとても好みでした。後になってこのエピソードが例外的で、他のエピソードはソウルやジャズが多いですが、いずれも共通してメロウ&スウィートで家で聞いていると落ち着けて良いです。
Carla Dal Forno
メルボルン出身のこの人のおかげでGarbage & The Flowersという自分にとって新しい音楽と出会うことができて感謝しています。特に『Love Comes Slowly Now』は大のお気に入り曲になりました。全体的にアシッドフォークやローファイな選曲が多く、日本のマコメロジーが一曲目を飾るエピソードを見つけた時には、よく知ってるなと唸りました。
Thea HD
リーズ出身のこの方はアンビエントな選曲が多いのでBGMに最適かと思いきや、どの曲も引っかかりがあり聞いていて飽きません。けど刺激的すぎないのでやはり家で流しておくには適しています。というとてもいい塩梅なエピソードばかり。ジャケ写の雄大な自然と選曲がマッチしていると思います。
Angel Olsen
DJにはミュージシャンも多く名を連ねていて、 どんな曲が好きなのかを知れるのも楽しいです。このエンジェル・オルセンは3つしかエピソードがないけど、そのいずれも良く、特にこのエピソードが甘美な陶酔感に満ちていて好きです。
Joana Molina
ファナ・モリーナが60〜70年代のアルゼンチンとウルグアイの音楽を中心に、自身の音楽形成に影響を与えた曲をインタビューに答えながら紹介しています。ここで知ったThe Music Machine 『Masculine Intuition』というガレージサイケな曲がとてもかっこいいです。
YoshimiO
どのエピソードもヨシミさんらしく土の匂いのするトライバルな曲が多いです。特にこのエピソードは世界の民族音楽シリーズから多く選曲されていて、知らない曲ばかりでおもしろく、そしてどれもかっこいいです。さすがという選曲です。
Miss Modular with Sudan Tapes Archive
スーダン音楽を保存するアーカイブ活動をしている女性にインタビューしながらその音楽を紹介しているエピソードです。スーダン音楽など一曲たりとも知らなかった僕には全てが新しい音楽でした。スーダンの民族音楽だけでなく、スーダンのポップミュージックも紹介されていて、そのどれも良いです。
Metamorphosis
これは一人のDJではなく、いろんなDJによる選曲をメタモルフォーシスというテーマでまとめたシリーズです。その中から特にいいなと感じたエピソードをふたつピックアップします。
ひとつ目はチュニジアン・ナイーブ・ソサエティによるエピソード。まず「チュニジアの純真な社会」というネーミングセンスが好きです。選曲は全体的にしっとりと落ち着いていて、リラックスして聞けます。2曲目にはレイ・ハラカミが選ばれていて、チュニジアまで届いていてすごいなと思いました。
ふたつ目のエピソードはスピリチュアライズドから始まり、コクトー・ツインズやビーチ・ハウスなど馴染み深い選曲のものを。休日に何もせず寝転んで聞くとすぐ夢見心地にたどり着けます。
In Focus
ここはミュージシャンやレコードレーベルごとに特集されたエピソードがまとめられています。本当に縦横無尽に古今東西を飛び回っていて、ひとつひとつを順番に聞いていっても相当に楽しいと思います。そんな中から、ここで知ることができたカンボジアン・ポップスとブルー・ナイルを紹介します。
Donna Leak
最後は今一番好きなDJのドナ・リークの全エピソードで締めます。ほとんどの曲を知りませんが全ての選曲がクールで、こういう人を音楽好きというんだろうなと思います。ぜひ聞いて楽しんでください。
NTS以外では、中古レコード屋に行って、レコードとCDを買って「新しい音楽」に出会ってます。